── 当店オーダー実績から見えた、いまこのモデルが選ばれる理由

当店JLC Handmadeでは、さまざまな高級時計ブランドのオーダーメイドストラップを製作しています。その中で、この1年間ではっきりとした変化がありました。

カルティエ サントス デュモン向けのストラップ注文が、Santos de Cartier を上回り、パーツ埋め込み仕様のストラップで注文数第1位になったという事実です。

この記事では、なぜ Santos Dumont のストラップ需要がこれほど高まっているのか、当店の製作現場で見えてきた実感と、市場の動きを合わせて考察します。

当店の注文傾向:Santos Dumont が Santos de Cartier を逆転

カルティエの「サントス」には、主に自動巻きムーブメントを搭載する実用的な Santos de Cartier と、クォーツや手巻きムーブメントを搭載し、より薄型でクラシカルな Santos Dumont という2つのラインがあります。どちらもカルティエ独自のクイックスイッチ機構を搭載しており、工具なしでストラップを簡単に交換できます。

Santos de Cartier はスチールブレスレットとレザーストラップの2WAYで使える実用性から、幅広い層に支持されてきました。一方、Santos Dumont はその薄さと端正なデザインが魅力です。スタンダードモデルには高精度クォーツ、XLモデルや限定モデルには手巻きキャリバー 430 MC が搭載されており、いずれもドレスウォッチとしての品格を備えています。着け替えを楽しむカジュアルな使い方よりも、「一本を長く愛用する」志向のオーナーが多い印象のモデルでした。

ところが、当店でのオーダー実績ではこの Santos Dumont 用のストラップ注文が Santos de Cartier を上回っています。しかも、その多くがパーツ埋め込み仕様——つまり、カルティエ純正と同じような一体感を持つ特殊形状のストラップです。クイックスイッチで手軽に交換できる構造だからこそ、「純正ベルトを温存して、日常はカスタムストラップで楽しむ」という運用が現実的になっているのです。

背景 1:Neo-Vintage トレンドと Santos Dumont の相性

日本の時計市場では、ここ数年で「Neo-Vintage」と呼ばれる流れが加速しています。Submariner や Speedmaster に代表されるスポーツウォッチの大型・厚型ケースから、薄型でクラシカルなデザインへの回帰です。

Santos Dumont はまさにこの流れの中心にあります。7.3mmという薄さ、1904年に生まれた世界初の腕時計という歴史、そしてアールデコの美意識が凝縮されたスクエアケース。東京や大阪のウォッチシーンで、スポーツウォッチからの「乗り換え先」として Santos Dumont を選ぶ層が増えています。

背景 2:Black Lacquer モデルの存在感

当店への注文で特に目立つのが、Black Lacquer(ブラックラッカー/WSSA0046)を所有するお客様からのオーダーです。

このモデルはスチールケースにブラックラッカーのベゼルとケーストップを施した仕様で、通常のサントス デュモンとは異なる独特の存在感を持っています。正規店でも入手が容易ではなく、Chrono24などの市場ではフルセット品が100万円を超える価格帯で流通しています。

希少性が高く、資産性を意識するオーナーが多いことが、「純正ベルトを温存してカスタムストラップを日常使いにする」という発想につながっていると考えています。

背景 3:Santos Dumont の中古市場価値の上昇

Santos Dumont の中古市場での価値は、ここ数年で上昇傾向にあります。その背景には複合的な要因があります。

カルティエの定期的な価格改定:カルティエは毎年グローバルで5〜7%程度の定価改定を行っており、2024年から2026年にかけては複数回の価格調整が実施されています。新品の定価が上がれば、中古市場の価格水準も連動して上昇します。

限定モデル・アートダイヤルの展開:カルティエは毎年のように Santos Dumont で新しい表現を打ち出しています。2022年のラッカーダイヤル、2024年のピーコックブルーやオリーブグリーンの貴金属モデル、そして2026年の Watches and Wonders で発表されたオブシディアン(黒曜石)文字盤の18KYGモデル(予価858万円)。こうした展開がコレクション全体の注目度を押し上げています。

供給の限定性:特にBlack Lacquerのような人気モデルは、正規ルートでの流通量が限られています。需要に対して供給が追いつかない状況が、中古市場での価格維持・上昇を後押ししています。

こうした状況の中で、Santos Dumont のオーナーにとって「フルセット・ミント状態」の維持は、実利のある選択になっています。

賢いオーナーの選択:純正ベルトを温存し、カスタムストラップを日常使いに

当店にオーダーをいただくSantos Dumontオーナーの多くに共通しているのが、以下のような考え方です。

純正ベルトを未使用のまま保管する ── クイックスイッチだからこそできる戦略

カルティエの純正クロコダイルストラップは高品質ですが、革製品である以上、使用すれば確実に劣化します。日本の中古市場では「純正ベルト未使用(Unworn)」かどうかで査定額が明確に変わります。

Santos Dumont にはクイックスイッチ機構が搭載されているため、購入直後に純正ベルトを外してカスタムストラップに付け替える作業はわずか数秒。工具も技術も不要です。つまり、「開封して、純正を保管して、カスタムに付け替える」という一連の流れを、購入したその日に完了できるのです。この手軽さが、将来の売却やアップグレードを見据えた合理的な資産保全を誰にでも実践可能にしています。

コストと時間の最適化 ── 時計を預けず、もっと早く、もっと賢く

純正ストラップの交換には、ブティックへの持ち込みや預かり期間が発生することがあります。その間、お気に入りの時計が手元にない日々が続きます。当店のオーダーメイドでは、時計をお預かりする必要はありません。お客様のもとに時計がある状態のまま、ストラップだけを製作・納品いたします。

また、当店の製作費は同等クラスの素材・仕上げで比較した場合、純正ストラップより20〜30%ほどお求めやすい価格帯です。コストを抑えつつ、素材・色・ステッチ・形状といった選択肢は純正以上。「同じ予算で、より自分らしい一本を手に入れる」という合理的な選択が、多くのSantos Dumontオーナーに支持されています。

パーソナライゼーション ── 「純正にはない色」で差をつける

Santos Dumont のオーナーには、装いに強いこだわりを持つ方が多い印象です。純正ストラップが黒か茶の限られた選択肢であるのに対し、カスタムストラップであればシェルコードバン、リザード、姫路黒桟革など、純正ラインナップにはない素材と色の組み合わせが可能です。スーツやベルト、靴の色に合わせてストラップを選ぶ——その自由度こそが、既製品にはないオーダーメイドの価値です。

パーツ埋め込みストラップについて

当店でSantos Dumont用に最も多くご注文いただいているのが「パーツ埋め込み」仕様のストラップです。これは、カルティエ純正ストラップと同様に、バネ棒やエンドピースをストラップの内部に組み込む構造です。

一般的な汎用ストラップでは、ケースとストラップの接合部に隙間が生じたり、取り付け部分の金具が見えたりすることがあります。パーツ埋め込みでは、ストラップの端部がケースの形状に合わせて成形されるため、純正品と同様の一体感が得られます。

特にSantos Dumontのようなクラシカルなデザインの時計では、この「継ぎ目のない一体感」が見た目の印象を大きく左右します。当店では、お客様の時計のケースに合わせた形状で一本ずつ製作しています。


パーツ埋め込み仕様によるケースとの一体感

当店の製作対応

Santos Dumont 用のストラップに限らず、当店では以下のような特殊形状・仕様に対応しています。

パーツ埋め込み

バネ棒やエンドピースをストラップ内部に組み込み、純正と同等の一体感を実現します。Santos Dumont で最もご注文の多い仕様です。

カーブエンド仕上げ

ストラップの取り付け部分をケースのカーブに沿わせた形状。ケースとの隙間を解消し、一体感のある見た目に仕上げます。

凸型・凹型

ストラップの断面形状を凸型(中央が盛り上がる)または凹型(中央がくぼむ)に仕上げます。時計のデザインや着け心地のお好みに合わせて選べます。

素材は、クロコダイル、シェルコードバン、カーフスキン、リザード、姫路黒桟革など、幅広い選択肢からお選びいただけます。

Santos Dumont に合う素材・カラーの参考に

「どの素材や色が自分の Santos Dumont に合うか分からない」という方のために、当店ではColour Coordinationページをご用意しています。Santos Dumont のケースカラーや文字盤に合わせた組み合わせ例をご覧いただけます。


カスタムストラップによるコーディネート例

Santos Dumont 用ストラップのご注文

パーツ埋め込み仕様をはじめ、カーブエンド・凸型・凹型など特殊形状に対応。
クロコダイル、シェルコードバン、カーフなど各種素材からお選びいただけます。

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素材・形状・パーツ埋め込みなど、ご注文前のご質問もお気軽にどうぞ。

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